本研究では,教育養成と教員育成の両方の機能をもった学校の組織的取組の開発とその体系化について検討を行った。特にカリキュラム・マネジメントの観点では,総合的な学習の時間の単元開発を中心に,カリキュラム検討や校内研修を行うことの有効性が示唆された。総合的な学習の実践では,校外関係者としての大学生,地域,研究者などのプレーヤーも教育実践に参画することができることから,連携調整にかかる労力がかかるが,教員構造の変化,教員の多忙化といった構造的な問題への改善にもつながる可能性も考えられる。こうした校外連携を伴う組織的体制の構築のための検討が今後は,より一層必要になるといえる。
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