研究課題
若手研究(B)
本研究では,小中学校における対応困難児の行動要因特定を目的とした研修支援システムを開発し,検証を実施した.本システムはウェアラブルカメラを教師に装着して撮影した動画を使用し,教師が対応困難時を捉える頻度,タイミング,および発言頻度について,視線グラフおよび発話グラフを提示することで,気づきを促すことを志向したものである.検証の結果,教師が自身の意識場面の偏りに関する気づきが発生すること,発話の量とタイミングを視覚的に把握できること,の2点の可能性が示唆された.
教師教育
対応困難児が示すの問題行動の背景には,自己肯定感の低下等に起因するストレスが主たる要因として考えられる。そのため,教師は自己肯定感を高めることを目的に,当該児童のポジティブな側面を意識することが重要であるが,問題行動等のネガティブな側面にばかり着目されてしまう可能性が懸念される。本研究で開発したシステムは,対応困難児のポジティブな側面を意識することの重要性を教師に認識させる観点で構築したものであり,児童生徒のストレスを軽減するという観点において意義は大きい.