前年度まで、主にデジタルペンを用いて取得した学生のライティングプロセスデータをリソースとして、ライティングプロセスの特徴に関する分析を行った。行った分析は以下の2点である。(1)学生がどのタイミングで演習課題の回答を記述しているか、(2)それぞれのタイミングでどのような内容を記述しているか分析を行った。また、2018年度へ向けた予備的な分析として、デジタルペンを利用して受講を行った学生(研究協力者)を対象としたインタビュー調査を行った。 前年度までの分析は、演習課題の開始時間と終了時間の記述内容を画像データとして取得し、その差分をライティングプロセスとして取得・分析を行っていた。 2018年度は、実時間の動画データを取得・分析を行った。これにより、演習課題の回答時間中のライティングプロセスなどより詳細な分析が可能となった。 これらの研究の結果、明らかになった結果は以下の2点である。第一に、演習課題の回答内容の検討と記述を並行して行っていると考えられる学生の存在である。この学生は、回答内容を検討しながら、その内容に応じて随時記述している可能性が指摘される。第二に、演習課題の回答内容を検討した後に記述していると考えられる学生の存在である。この学生は、演習課題の回答内容を一定の時間を使って検討した後に記述している可能性が指摘される。 今後はこれらの研究成果、特に学生のライティングプロセスの特徴に合わせた学習支援方法の開発を行う。
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