研究課題/領域番号 |
17K12955
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐々木 隆太 北海道大学, 創成研究機構, 特任助教 (80554013)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | ゲノム編集 / 科学社会学 / 植物科学 |
研究実績の概要 |
本研究では、倫理的ハードルが低く、今後いち早く社会にリリースされる可能性がある植物のゲノム編集技術の可能性と潜在的課題を、学術・産業の両面から明らかにする。 本年度は、社会におけるゲノム編集作物への反応を多角的に調査するため、植物におけるゲノム編集技術に関する学術情報を調査し、アカデミアにおけるゲノム編集の動向を明らかにした。また、学術論文のデータベースから、植物におけるゲノム編集に関わる論文を収集し、学術的な分析から、植物における技術的課題、適用可能な植物種、ゲノム編集技術から派生する新たな利用法の可能性を検討した。さらに特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)等を用いて、ゲノム編集に関する特許情報を収集した。海外(米国等)でのゲノム編集を用いた植物への対応、マスメディアにおけるゲノム編集作物に関する報道および一般の反応調査からは、遺伝子組換えの場合とは異なる社会需要を示す可能性がある。特に米国では、3月に米国農務省(USDA)から、ゲノム編集を使い遺伝子を改変した植物の規制を行うことはないとの声明を出している。この米国におけるゲノム編集を用いた植物の取り扱いの方向性が、我が国をはじめ各国の対応にどう影響するかなど、今後動向に注目し調査を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、植物におけるゲノム編集の現状・受容状況を調査し、ゲノム編集の可能性と社会受容を明らかにする。そのために、以下の3点に関して調査を行った。 ①アカデミア(学術界)における植物におけるゲノム編集の動向 ②産業会におけるゲノム編集作物の動向 ③ゲノム編集を用いた作物に関する社会受容 平成29年度は、事業計画に基づき、調査及び分析を進めた。
|
今後の研究の推進方策 |
平成29年度に引き続き、文献調査、シンポジウム等に参加するなどし、最新の動向を収集する。平成29年度および30年度の調査の結果をまとめ、海外のアカデミア、産業界の対応も参考にしながら、各分析結果を統合し、ゲノム編集作物の未来社会における可能性と課題を明らかにする。これらの分析を通して遺伝子組換え作物との社会需要を比較しながら、その相違を明らかにし、高度な科学技術の社会需要のあり方について提案する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度計画していた、備品購入を次年度に行うこととしたため、次年度使用額が生じた。 次年度は、申請した助成金と合わせて使用する。
|