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2017 年度 実施状況報告書

素形材産業におけるモノづくりのデジタル化

研究課題

研究課題/領域番号 17K12957
研究機関立命館大学

研究代表者

永島 昂  立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (10733321)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード素形材産業 / 鋳物産業 / 中小鋳物メーカー / 情報技術
研究実績の概要

平成29年度の研究実績は第一に、素形材産業のなかで最大規模をほこる鋳物産業の情報化についての文献・資料研究を進めた。具体的には3DプリンターおよびCAD、鋳造シミュレーションについて産業技術論的に検討した。3Dプリンターは試作鋳造品製造の分野での導入が進み、CAD、鋳造シミュレーションは鋳造方案の設計能力の高度化に寄与していることが確認された。
第二に、ヨーロッパ市場への輸出を目指す鋳物メーカーのコンソーシアムTHE LEADING JAPAN FOUNDRIESへのヒアリング調査を行った。同コンソーシアムは2014年2月に結成され、国内の有力中小鋳物メーカーで構成されており、世界4大鋳造展示会(GIFA、CAST EXPO、IFEX、METAL CHINA)での出展を目指し活動を展開し、2014年にはMETAL CHINA、2015年にドイツのGIFAでの出展を実現した。現在、2019年のGIFA出展に向けて活動をしている。
第三に、THE LEADING JAPAN FOUNDRIESの中核企業へのヒアリング調査を行い、1990年代以降の経営戦略についての1次資料を収集することが出来た。産業用ロボット、半導体製造装置、医療機器などの分野で市場開拓、重量取引慣行の改善、情報技術の積極的活用などの実態が確認された。ただし、こうした有力メーカーが積極的な戦略を採用している一方で、業界全体としては情報技術の活用の遅れや取引関係上の問題が存在していることも確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度の計画は、既存研究、業界・企業発行物、一次資料の収集とサーベイを行うのと並行して、情報技術活用に積極的な鋳物メーカーへのヒアリング調査を進める計画であった。
文献研究については計画通り進められたことに加え、有力鋳物メーカーのコンソーシアムTHE LEADING JAPAN FOUNDRIESとのコネクションが出来たことは重要であった。同コンソーシアムの総会に参加することを通じて、有力鋳物メーカーへのヒアリング調査を進めることができた。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策としては、第一に今年度に引き続き国内企業調査を進めることである。具体的には、有力鋳物メーカーのコンソーシアムTHE LEADING JAPAN FOUNDRIESに参画している企業に対するヒアリング調査を進めることと、日本鋳造協会若手経営者委員会参加企業に対するヒアリング調査を進める。それにより情報技術活用に積極的な鋳物メーカーの実態把握が進む。それと同時に、情報技術の活用には格差があるため、情報技術活用に対して消極的なメーカーへのヒアリング調査も展開する。
その上で、素形材産業(特に鋳物産業)におけるモノづくりのデジタル化に関する分析枠組みの構築し、ヒアリング調査で得られた一次資料の分析を進める。

次年度使用額が生じた理由

平成29年度は校務負担が大きく、予定していたエフォートが低下し、計画通りのヒアリング調査が出来なかったため、次年度使用額が生じた。平成30年度は、計画通りのエフォートが実現できる見込みのため、昨年度実現できなかったヒアリング調査の旅費および資料調査等のための物品費に当てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 科学史入門 戦後日本鋳物産業の技術発展2017

    • 著者名/発表者名
      永島昂
    • 雑誌名

      科学史研究[第Ⅲ期]

      巻: 281 ページ: 44-49

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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