研究課題/領域番号 |
17K12965
|
研究機関 | 九州歴史資料館 |
研究代表者 |
小林 啓 九州歴史資料館, 学芸調査室, 研究員(移行) (20638457)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 三次元計測 / 高精細三次元データ / 馬冑 / 考古遺物 |
研究実績の概要 |
研究初年度は船原古墳の馬冑について高精細三次元計測によるデジタル記録を実施した。船原古墳の馬冑は研究開始時に既に三次元計測を終えていたが、現在修復の過程で馬冑が部位毎に分離した状態となっていることから、更なる詳細な測定データ取得のためパーツ毎に三次元測定を実施した。併せて、馬冑内外面に付着する付着する有機質情報(漆塗膜・繊維等)について光学的調査を実施した。また、得られた三次元データを元に馬冑の構造と製作技法の検討を実施、研究会・カ学会等で成果報告を実施した。この他、馬冑の考古学的評価に必要な事例収集、文献検索を国内および朝鮮半島を対象として実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現状、本研究の基盤となる船原古墳出土馬冑の高精細三次元データが得られていることから、研究遂行にあたり大幅な変更がなされることはない。次年度は大谷古墳・将軍山古墳出土馬冑の三次元計測を実施予定である。これにより国内馬冑の三次元データが揃うこととなり、研究最終年度に実施するの日本列島の馬冑と韓国嶺南地方の馬冑との構造と製作技法に係る比較検討が可能となる。また、今年度は韓国の玉田古墳・高麗池山洞古墳等の馬冑を実見しており、研究最終年度の検討に向けた準備を進めているところである。
|
今後の研究の推進方策 |
馬冑の高精細三次元データの取得方法は今年度実施した船原古墳の手法を踏襲することにより予定通り実施が可能である。次年度に実施予定の2例は、大谷古墳(9月中頃)・将軍山古墳(12月頃)としており、データ解析も含めて年度内には比較検討を実施可能な三次元データが揃う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
高精細三次元計測を実施した資料及び設備が研究代表者の本務地に所在していたことから、既存設備の使用、資料調査に係る旅費が当初の計画と異なる状況となった。次年度は、他機関の資料における三次元計測や資料調査が主体となるため、今年度当初予算と合わせた使用計画となる予定である。
|