研究課題
若手研究(B)
本研究では船原古墳遺物埋納坑から出土した国内3例目の馬冑を高精細三次元データを用いて資料化した。得られた高精細三次元データは、馬冑の構造や製作技法を精緻に表現しており、考古資料における従前の資料化方法(写真・図面)と比較して情報量は圧倒的に多い。また、製作者による恣意的な情報が排除されるため客観性の高い二次資料として有効である。高精細三次元データによる資料化は、馬冑の様に移動を伴う調査研究が困難な考古資料において極めて有効な研究手法である。
文化財科学
本研究の成果は、国内の学会等の他、「伽耶の馬冑・馬甲」(2019年 韓国金海市)、「文化財非破壊診断-CT・3D技術の関連事例と活用方法-」(2019年 韓国太田市)など、国外において研究発表を行なっている。馬冑をはじめとする重要な考古資料は、劣化や移動に伴うき損の恐れがあるため所在地からの移動が著しく制限される。高精細三次元データによる資料化は、資料が有する制限や制約を取り払い、国内外のあらゆる人々と情報共有を可能にする。