研究課題/領域番号 |
17K12971
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
小山 拓志 大分大学, 教育学部, 准教授 (30553581)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 多角形土(ポリゴン) / 周氷河地形 / UAV-SfM測量 / 数値標高モデル(DEM) / 尾根谷度 / 南極 / 火星地表環境 |
研究実績の概要 |
本年度は,科研費研究の最終年度として,昨年度までおこなってきた火星地表環境の解明に向けた画像解析をより充実化させ,火星に分布するポリゴンの規模・形態を分類化した。具体的には,火星の衛星画像HiRISE (High Resolution Imaging Science Experiment)やDEMを入手し,南極と同様の解析をおこなった。昨年度は試行段階ではあったため,火星のPhoenix着陸地点周辺の多角形土のみを対象にしたが,今年度は少し範囲を広げるかたちで解析をおこなった。この作業は現在も進行中であるため断定はできないが,南極内陸部Vassdalenとほぼ同規模のポリゴンを抽出できている可能性が高い。また,昨年から試行してきた尾根谷度についても,火星のDEMで解析できることが明らかになった。この結果を基に南極の地下構造を改めて解析し,火星の地表環境を推定する作業を進めている。なお,火星の地表環境解明に向けた成果を国際学会で発表するため,一年間の延長申請をおこなった。 また,本研究の副次的成果として,南極で得られたDEMや写真のデータとICT機器を活用した新たな教材開発に取り組んだ。主に活用したICT機器は,360°動画および静止画撮影カメラと,インターバル動画を記録することができるタイムラプスカメラである。それらを教員志望学生を対象とした大学の講義の中で活用し,その効果や課題を検討すると共に,南極を題材にした授業開発の可能性について考察した。この成果は学術雑誌に投稿している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,南極のポリゴン解析の手法を用いて,火星の画像解析およびPhoenix着陸地点周辺の多角形土の解析を概ね終えたため。
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今後の研究の推進方策 |
延長した1年間で,南極および火星のポリゴン解析のまとめをおこない,学術雑誌(国際誌)へ投稿する(2本)。また,発表を予定していた国際学会が中止になってしまったので,改めて他の学会で発表する準備を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
専門領域における国際学会の中で,International Geographical Congress(IGU)は4年に一度開催される学会である(34th@Istanbul University)。その学会の開催年が2020年であったため,そこでの発表に向けた渡航費および学会参加費等の使用額が生じた。これらは,国際学会での発表に関わる最終年度までに得られた成果を取りまとめ,国際学会において発表すると共に学術雑誌に投稿するための費用にあてる。
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