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2020 年度 実績報告書

降水日変化特性のモデル再現性向上と降水擾乱に対する日変化の影響評価

研究課題

研究課題/領域番号 17K12975
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

足立 幸穂  国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 研究員 (50512448)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード降水日変化 / 日射影響 / 局地循環 / 地域気候
研究実績の概要

今年度は、昨年度実施した、日射固定実験の解析を行った。対象地域は、近年、豪雨に伴う土砂災害が発生している広島や岡山を含む中国地方とした。日射固定実験では、日射量を06JST、09JST、12JST、15JST、18JST、そして全く日射がない状態として00JSTに固定した状態で、2011年6-9月までの計算を行った。それぞれの感度実験の名前を、Exp06、Exp09、...、Exp00とする。また、基準実験(CTL)として、日付通りの日射を与えた再現実験も行った。
まず、日射があることによる降水量への影響を見るため、Exp00とCTLの総降水量を比較した。その結果、日射は、日射が全くない場合に比べて降水を1.5倍に増加させることが示された。次に、日射の量の影響をみるため、日射固定実験とCTL、及び、Exp00の比較を行った。Exp06、Exp09、Exp12、Exp15、Exp18の日射量は、それぞれCTLの0.21倍、2.25倍、3.24倍、2.41倍、0.37倍である。一方、日射量が変わったことによる降水量変化のCTLに対する比は、それぞれ-0.07倍、3.21倍、5.60倍、3.75倍、0.20倍であり、Exp09、Exp12、Exp15では、日射量の増分よりも降水量の増分の方が多かった。Exp06とExp18の降水量は、そもそもExp00と同程度であった。
日射量が変わったことによる降水への影響には、2つの要因が考えられる。1つは、不安定度が増すことで、対流が活発になること。もう一つは、局地循環を強めることである。今回の実験では、どちらの影響も含んだ結果となっている。また、解析対象期間の4ヶ月の間には、さまざまな天候の日が含まれており、日によって、それぞれの影響も異なる。2つの影響の切り分け、及び、天候別の影響度の違いについては、今後の課題である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Methodology of the Constraint Condition in Dynamical Downscaling for Regional Climate Evaluation: A Review2020

    • 著者名/発表者名
      Adachi S. A.、Tomita H.
    • 雑誌名

      Journal of Geophysical Research: Atmospheres

      巻: 125 ページ: 1-30

    • DOI

      10.1029/2019JD032166

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] A new framework built into a numerical library for climate to use spatially-detailed urban parameters2020

    • 著者名/発表者名
      Adachi, S. A., S. Nishizawa, H. Tomita
    • 学会等名
      The 2nd R-CCS International Symposium
    • 国際学会
  • [学会発表] 数値モデルを用いた地域気候変化の評価のための力学的ダウンスケーリング手法の紹介2020

    • 著者名/発表者名
      足立幸穂, 富田浩文
    • 学会等名
      第61回大気環境学会年会

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公開日: 2021-12-27  

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