研究課題
既成市街地の範囲の変化を評価するためには,従来のように既成市街地を表す人口集中地区(DID)ではなく,建物分布に基づくボトムアップな市街地画定方法の開発が重要である.とくに,建物を結ぶ道路等の都市インフラの維持管理費用を明示的に考慮すべきである.本研究では,①ある建物の最近隣に位置する建物までの距離の総和に比例する道路等の都市インフラの可変費用を定式化し,建物棟数に依存しない集落間を結ぶ幹線道路網に比例する費用を固定費用として定式化し,③前述の最近隣距離の閾値を平均費用最小化問題の解として定義することで,既成市街地の範囲と都市インフラ費用の関係を明示的に分析することに成功した.また,集落を構成する建物棟数はpower lawに従うことを確認し,既往研究が提唱する'head/tail division rule'に基づき,集落を構成する建物棟数に基づいて集落の空間階層を定義した.その結果,DIDは大小様々の集落と共通部分を有する一方で,同程度の建物棟数であるものの,DIDに含まれない場合もあることを確認した.これらの結果は,今後より詳細に居住誘導区域を設定する際の基礎になると考えられる.さらに,上述の集落について,空閑地が空間的・時間的にランダムに発生・蓄積しているかどうかを検証する方法を構築することで,都市のスポンジ化を評価することも試みた.その結果,①空閑地がランダムに発生し続ける集落はほとんどなく一時的な現象である一方,②いったん空閑地がランダムに蓄積しはじめた集落では,空閑地のランダムな蓄積は継続する傾向にあることがわかった.これらの成果は,国際誌Computers, Environment and Urban SystemsやEnvironment and Planning B: Urban Analytics and City Scienceに掲載された.
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ISUF 2020 Virtual Conference Proceedings
巻: 1 ページ: 1月8日
Environment and Planning B: Urban Analytics and City Science
巻: onlinefirst ページ: onlinefirst
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International Journal of Geographical Information Science
巻: 34(11) ページ: 2177-2203
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International Conference on Computational Science and Its Applications
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