建物の分布に基づいて既成市街地を画定する方法を構築し,既存の既成市街地である人口集中地区(densely inhabited districts(DID))との比較分析を精緻に行った.我が国の市町村は,既成市街地の縮退を促すために,居住誘導区域等の設定に取り組んでいる.本研究が提案する既成市街地の画定方法は,既成市街地を構成する最小な空間単位である建物を基礎とし,既成市街地の形態と都市運営費用の関係を明示的に分析することに成功した.また,空き地が空間的・時間的にランダムに発生・蓄積しているかどうかを検証する方法を構築することで,既成市街地内において都市のスポンジ化の進行を評価することも試みた.
|