研究課題/領域番号 |
17K12980
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
福田 恵美子 東京工業大学, 工学院, 准教授 (50546059)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 待ち行列 / ゲーム理論 / シミュレーション / 実験室実験 |
研究実績の概要 |
平成30年度には、平成29年度に得られた知見をもとに、①シミュレーション・モデルの構築と改良、②実験室実験の設計、③サービス提供者を加味したモデルの拡張の三点に取り組んだ。 平成29年度には、待ち行列ゲームの均衡を導出する数値計算アルゴリズムを開発したが、同時に、エージェントが学習の末に均衡を達成するシミュレーション・モデルを試作した。このシミュレーション・モデルが、実験室実験の設計および結果の検証にも有用であることに鑑み、学習過程の見直しや設定に幅を持たせられるよう改良・拡張をおこなった。 上述のシミュレーション・モデルを活用して、実験室実験の設計を実施した。2019年度前半に実験を実施する予定である。 理論研究については、当初、離散時点待ち行列ゲームの一般化モデルに対して、サービス提供者側の戦略として窓口数や時間帯ごとのサービス提供価格等を考えていたが、到着時点(枠)の設定を戦略としたモデルを考えた。これは、サービス提供者が開店時間、閉店時間、休憩時間、受付時間等を変更・設定することで戦略変更ができることを意味しており、窓口数の増減と比較して実施しやすい経営戦略であると言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実験設計は実施したものの、当初予定していた実験の実施には至らなかったため、遅れている状況と言える。主な理由として、①実験設計が終了したのが第4四半期であったため、研究協力者(被験者)の募集が困難であったことと、②平成30年度当時の所属機関の実験環境では、サーバ機の不具合があったことが挙げられる。そのため、サーバ機を新たに購入し、ネットワークを再設定する等、実験環境の整備に時間を割くことになった。
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今後の研究の推進方策 |
速やかに実験環境整備を終え、実験室実験を実施する。実験結果と、数値計算アルゴリズムによって得られた均衡、およびシミュレーション結果との比較をする。また、サービス提供者側の戦略が変わった場合どうなるかを、条件を変えた実験結果との比較において検証する。 さらに、理論研究において、サービス提供者側の戦略として当初想定していた時間帯ごとのサービス提供価格などを取り入れて、多段ゲームとしての分析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画通りに実験を実施できなかったため、主に謝金などの人件費が未使用であるため、次年度以降に使用する。具体的には、実験室実験の実施における実験参加者への謝金、および実験補助やデータ解析補助を担当する研究協力者への謝金、研究成果発表のための学会参加費および出張旅費に充当する予定である。
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