研究実績の概要 |
本研究では一般の物体を3Dレクトリニア多面体に近似する手法を提案する.また,2次元図形配置問題に対する研究成果と直方体配置問題に対する研究成果の知見を利用して,2D図形配置問題の解法を3次元レクトリニア物体配置問題に拡張する.さらに,荷物を配送する際に車両内での荷物配置を考慮する配送計画問題と取り出し順序を考慮する配置問題に対する解法も検討する. まず,直方体の集合という形式で入力された3D物体のストリップパッキング問題を考える.直方体の集合形式は細かくして多くの直方体を用いて物体を表現すれば高い精度で任意の3D物体を表現でき,一般の物体を対象とするパッキング問題を高精度で近似的に解くことが出来る.その近似の精度に応じて,アイテムを表現するための複雑度が高くなる.開発する解法の性能が,このような複雑度の増大に敏感にならないようにアルゴリズム上で主にデータ構造の面からの工夫を行う.解法としては,何も配置されていない状態から始めて, アイテムをひとつずつ配置していき, 最後に解を得るという構築型解法を開発する.解法の計算過程で動的に変化するアイテムの配置を効率よく保持するデータ構造を設計して,計算時間を削減する. 次は,構築型解法は解を探索するタイプの手法ではないため一度適用しただけでは十分よい精度の解が得られない場合がある.本研究では,この点を解決すべく次の2点について研究を実施する.(a)構築型解法では,アイテムを配置する順序が重要である.本研究では,アイテム固有の性質を考えた配置順序を考案することで単純な構築型解法より遥かに精度の高い解を得ることを目指す.(b)配置順序を探索空間とした局所探索型の解法やメタ戦略などのような与えられた計算時間内にできる限りのパフォーマンスを発揮する反復改善型の解法設計を狙う.
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