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2019 年度 実績報告書

拡散波動場理論に基づく地盤構造同定

研究課題

研究課題/領域番号 17K12999
研究機関京都大学

研究代表者

長嶋 史明  京都大学, 防災研究所, 特定助教 (70793537)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード拡散波動場理論 / 強震動予測 / 被害予測 / Amatrice / 地盤構造同定
研究実績の概要

本年度は、昨年度に同定したAmatriceの地盤構造を用いて2016年に発生し大被害をもたらしたAmatrice地震時の強震動予測を行い、その結果をもとに被害予測を行った。2016/08/24のAmatrice地震時にAmatrice台地上で大被害が発生したが、その被害地域内には地震観測点はなく、台地外にある常設観測点(AMT)では本震波形が記録されている。本震を受けて台地上にも臨時余震観測点網(MZ10、MZ30など)が設置され、そのデータをもとに台地外の本震観測記録から台地上の本震地震動を予測した。
2016/10/30に発生したM6.1の地震は臨時余震観測点でも観測されている。AMTでの観測記録から台地上の地震動を等価線形解析により予測した結果は観測記録とよく一致し、手法やパラメターの妥当性を示すことができた。次に同じパラメター設定のもと本震時の台地上での強震動予測を行いPGAが650gal、PGVが50kine弱の地震動が得られた。
予測地震動を入力とし、被害予測モデルに建物の構造種別や階数、実建物にみられる性能のばらつきを考慮した長戸・川瀬モデルを使用して被害予測を行った。Amatriceに存在した組積造建物と特性が似ている3階建RC造モデルの耐力を変化させながら被害率を計算した。RC造建物の一般的な破壊クライテリアとして最大層間変形角が1/30に到達した場合破壊が生じると仮定した場合は耐力を標準モデルの0.1倍にした場合でもほとんど被害は生じなかったが、組積造壁に関する既往研究などを参考として破壊クライテリアを1/100とした場合は耐力が0.5倍の時は0.5、0.3倍で0.83となり、0.1倍では被害率は1となった。日本のRC造建物と比べてAmatriceに存在していた建物は耐震性能がかなり弱かったことが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] K-NET・KiK-netのPS検層記録に基づくVs・Vpおよび深さの関係2019

    • 著者名/発表者名
      長嶋 史明, 川瀬 博
    • 雑誌名

      物理探査

      巻: 72 ページ: 78-100

    • DOI

      https://doi.org/10.3124/segj.72.78

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Subsurface structure identification based on H/V ratio and surface to borehole ratio2019

    • 著者名/発表者名
      Nagashima, Fumiaki and Kawase, Hiroshi
    • 学会等名
      7th International Conference on Earthquake Geotechnical Engineering
    • 国際学会
  • [学会発表] 地震動の拡散波動場理論に基づく地震基盤入射波の推定とその適用限界2019

    • 著者名/発表者名
      長嶋史明, 川瀬博
    • 学会等名
      日本地震工学会大会

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公開日: 2021-01-27  

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