台風に伴う竜巻は発生頻度が高いにもかかわらず、親雲の空間スケールが小さいため、現象の理解と監視・予測が困難であった。本研究はPARを用いることによってこの問題に取り組み、現象の分単位での機構解明を可能とした点に学術的な意義がある。また、竜巻は台風の中心部から数100kmほど離れて発生するため、台風が十分に接近する前の段階から竜巻に対する警戒を高める必要があり、このためには竜巻発生の予兆をより直接的に捉える必要がある。本研究で得られた知見は、PARを用いた渦と降水コアの監視が竜巻発生の直接的な指標として有効な手立てであることを示唆するものであり、未来の防災技術の高度化の上で社会的な意義が高い。
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