研究課題/領域番号 |
17K13020
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
山口 将希 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 助教 (00783812)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 関節軟骨 / 再生医療 / 運動 / ラット |
研究実績の概要 |
本研究は欠損した関節軟骨の再生に運動や物理刺激が影響を及ぼし得るかを調べることを目的としており、平成26年~平成27年に申請者が行った細胞移植後の運動および物理刺激介入が関節軟骨の欠損後早期に対して影響を及ぼし得るかを調べた研究の中・長期的な介入研究である。 平成29年度の研究実施計画通り、京都大学にてWistar系オスラット(8週齢)の膝関節大腿骨部の関節軟骨欠損モデルの作成を行った後、4週間の通常飼育を行って慢性関節軟骨欠損モデルとした。作成したモデルラットに対して通常飼育および4週間のトレッドミル介入を行った。その後、通常飼育群とトレッドミル介入群を通常ケージにて16週および20週後の通常飼育を行い、膝関節大腿骨部のサンプル摘出を行った。摘出したサンプルはPFA固定後にEDTA脱灰処置を行い、パラフィン包埋処置を行った。得られたサンプルは通常飼育群(4週+16週)8膝、トレッドミル介入群(4週+16週)9膝、通常飼育群(4週+20週)9膝、トレッドミル介入群(4週+20週)9膝。パラフィン包埋したサンプルは順次薄切処理を行い、SafraninO/fast green染色、ヘマトキシリン‐エオジン染色、I型コラーゲンおよびII型コラーゲンの免疫組織化学染色を行い、それぞれ光学顕微鏡下にて組織観察を行っているところである。次年度における研究計画の遂行に向けて、移植細胞用の間葉系骨髄細胞をWistar系オスラット(8週齢)3匹の大腿骨骨髄より採取し、単層培養にて培養および継代を行い、移植の準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度の時点で開設が予定されていた所属大学(国際医療福祉大学成田キャンパス)における動物実験施設の開設準備が整っておらず、研究を研究担当者の研究協力施設である京都大学大学院にて行っている。またサンプルの処理および解析を国際医療福祉大学にて行う予定であったが、その環境も整わなかったため、処理および解析を京都大学にて行う必要から観察に遅れが生じている。細胞移植に向けた準備において一度目の採取に際してコンタミが発生し、細胞の確保が行えなかった。そのため細胞の準備が整わず、昨年度中に実施する予定であった移植細胞群の飼育が遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
京都大学大学院における研究協力を継続して得られる確約を得ており、平成30年度における研究も京都大学を中心に行っていく。細胞培養におけるコンタミにより準備していたラットが使用できなかったため、今後の研究ではリスクを分散するため一度に開始するラットの飼育数を制限しつつ、順次関節軟骨欠損モデルの作成を行い、サンプルの回収を行う。同時に京都大学への出向時に得られたサンプルの薄切処置および組織観察を行って得られたデータの解析を行っていくものとする。また欠損修復に対する至適物理刺激の探索のため、運動介入に代えて尾部懸垂による物理刺激量の低減がどのような影響を及ぼすかについて調べるため、慢性関節軟骨欠損モデルモデルの作成後、ラットを4週間の尾部懸垂処置を実施してから通常飼育を行っている。同ラットを16週間および20週間飼育後に大腿骨膝関節部のサンプルを摘出する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度における使用実施状況を確認しつつ実施していたものの、実施年度途中で請求予定金額が交付金額を上回ってしまった。また研究においてもコンタミが発生するなどの研究遅延が生じたため請求予定金額を途中で圧縮して申請した。コンタミに対してラットの欠損モデルの作成を分割するように研究計画を変更したため、次年度使用額については京都大学への旅費として使用する。
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