研究課題/領域番号 |
17K13028
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
根岸 淳 信州大学, 繊維学部, 助教(特定雇用) (60722634)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 脱細胞化生体組織 / 細胞外マトリックス / 生体材料 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、生体内の任意の部位に血管新生と創傷治癒を誘導する生体材料を作製し、移植細胞の生着率を向上させる材料開発の基盤確立を目的としている。平成29年度は、生体組織から細胞を除去した脱細胞化生体組織の作製、細胞試験と動物試験による脱細胞化生体組織の機能評価に取り組んだ。特に、年齢の異なる原料動物と種々の組織から作製した脱細胞化生体組織の機能比較を行い、原料特異的な機能について解析した。 高静水圧法を利用し、成体ブタ組織と胎児ブタ組織(肝臓、骨格筋、心筋など)から脱細胞化生体組織を作製した。組織学的染色と残存DNA定量により、細胞が除去されていることを確認した。脱細胞化生体組織の機能評価として細胞毒性試験と細胞遊走性試験を行い、原料動物の年齢、組織の種類により細胞遊走性が異なることを見出し、胎児由来脱細胞化生体組織が高い細胞遊走性を示した。また、すべての脱細胞化生体組織で細胞毒性は認められなかった。 酵素分解試験において、成体由来脱細胞化生体組織と比較して、胎児由来脱細胞化生体組織が早期に分解されることが明らかになった。また、組織の種類によっても分解速度が異なることが明らかになった。 脱細胞化生体組織のラット皮下埋植試験において、材料内部への細胞浸潤が胎児由来脱細胞化生体組織で早期に観察された。 以上から、脱細胞化生体組織の原料動物年齢や組織の種類により、創傷治癒や血管新生誘導能が異なる可能性を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度では、設定目標の脱細胞化生体組織の作製と特性評価、細胞試験および動物試験に取り組み、成体と胎児動物由来の脱細胞化生体組織では機能が異なることを明らかにした。また、平成30年度の目標である脱細胞化生体組織の成型加工の予備実験を行い、種々の脱細胞化生体組織を粉末化することに成功した。 以上から、おおむね順調な進捗だと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、おおむね予定通り進行した。 今後は、脱細胞化生体組織の成型加工に取り組み、注射針による注入可能な剤形の脱細胞化生体組織化材料の作製を目指す。細胞と脱細胞化生体組織加工材料の混合し、培養試験等を実施する。また、細胞移植の際の生着補助材料としての有効性を細胞試験および動物試験にて評価する。、
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