研究課題/領域番号 |
17K13035
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
澤田 篤郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (10784796)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 3Dナビゲーションシステム / ロボット支援下腎部分切除術 / SLAM |
研究実績の概要 |
我々は、ロボット支援下腎部分切除術(RALPN)において、腫瘍の位置推定のため、術中映像に3Dモデルをリアルタイムに2D画像に投影する技術を先行自主研究として開発してきた。本研究ではこれをさらに発展させ、3D内視鏡画像上での3Dモデルの投影、内視鏡画像に3Dモデルを自動重畳および自動追従するシステムの開発、臓器の変形に対応する変形モデルの開発を行ってきた。従来、我々は内視鏡カメラ映像からオプティカルフローを求め、カメラの3次元動作を大まかに推定して半自動で追従させる方法を行っていたが、推定が不完全で、外乱に弱いという問題があった。自動追従の精度の向上のため、2018年度に、我々はSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を導入した。これは術野の映像から無作為に多数の特徴点を抽出し、これらの点がどのように動いたかを分析することでカメラの位置や向きの変化を認識させるものである。 今回、ORB-SLAM2という特徴点ベースのSLAMを使用してカメラ映像のみでカメラの3次元位置・姿勢を求めるプログラムと、3Dモデルをカメラ映像に重畳させるプログラムの2つを用いた。録画していた術動画を用いた実験では、カメラの移動速度が緩やかで、腹腔内に大きな変形が無い状況であれば、鉗子などの手術器具が写り込んでいたり、内視鏡カメラに部分的に液体が付着していても SLAM によりカメラ位置姿勢計測は可能であった。 今後さらに改良を重ね、リアルタイムで3Dモデルが術中画像の変化に対応して、自動追従するシステムの確立し、臨床的に有用なda Vinci Xi Surgical systemのナビゲーションシステムの実装とその実用化を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
従来我々は内視鏡カメラ映像からオプティカルフローを求め、カメラの3次元動作を大まかに推定して半自動で追従させる方法を行っていたが、推定が不完全で、外乱に弱いという問題があった。自動追従の精度の向上のため、我々はSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を導入し、カメラの自己位置推定と3Dモデルの重畳プログラムが作動する事を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
SLAMに関しては、新型ロボットであるda Vinci Surgical system Xiへのナビゲーションシステムの実装と、リアルタイムな手術画像での応用の可能性があることを実験的に示すことが出来た。SLAMの安定した自己位置計測のため、更なる実験やプログラムの調整を行い、ARサポートによる臨床実験を実施し、臨床的に有用なda Vinci Xi Surgical systemのナビゲーションシステムの実装とその実用化を予定している。
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