本研究は,SGLT2阻害薬を新規投与する2型糖尿病患者を対象として,投与開始前後の心外膜下脂肪(EAT)の厚みの変化と心機能の変化との関連について検討した前向き観察研究である.全てのデータが記録できた22例(平均年齢62±14歳,男性10例)を対象として,EAT厚が10%以上軽減した例を臨床的効果ありと定義した. 結果,EAT厚は16例(73%)で10%以上の軽減を認めた.EAT厚が10%以上軽減している患者では,軽減していなかった患者と比べて左房容積係数が有意に低下した.加えて,スペックルトラッキング法を用いた左房ストレイン値が改善する傾向があることが明らかとなった.
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