研究課題/領域番号 |
17K13048
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石川 博明 東北大学, 大学病院, 理学療法士 (30597828)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 腱板断裂 / 腱板修復術後 / 超音波エラストグラフィ / 張力 / 外転装具 / ADL / 運動療法 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、超音波エラストグラフィを用いて腱板修復術後の修復腱の硬さを測定し、どのような装具の装着位置や日常生活動作、運動療法で張力が増加するのかを明らかにすることである。 平成30年度は、昨年度に引き続き計測を実施し、現在までに腱板修復術後患者17名の測定が終了した。装具の装着位置に関しては、(1)挙上30°位・肩甲骨面(基準肢位)、(2)挙上0°位・肩甲骨面、(3)挙上60°位・肩甲骨面、(4)挙上30°位・肩甲骨面+60°、(5)挙上30°位・肩甲骨面-60° の5条件で測定し、挙上30°(基準肢位)および挙上45°と比べて挙上0°位で修復腱の硬さが有意に増加した。また、肩甲骨面(基準肢位)と比べて肩甲骨面+60°、肩甲骨面-60° で修復腱の硬さが有意に増加した。これらの結果は、挙上角度が低く、肩甲骨面から逸脱した位置に装具を装着することで、修復腱に加わる張力が増加することを示唆している。日常生活動作に関しては、(1)飲水、(2)歯磨き、(3)更衣の3条件で測定し、基準肢位と比べて飲水、歯磨き動作で修復腱の硬さが有意に増加した。運動療法に関しては、(1)自動介助運動(屈曲、外旋)、(2)自動運動(屈曲、外転、外旋)、(3)抵抗運動(外転、外旋、内旋)の8条件で測定し、基準肢位と比べてすべての運動で修復腱の硬さが有意に増加した。また、抵抗運動(外転)、抵抗運動(内旋)で修復腱の硬さがそれぞれ最大値、最小値を示した。本研究で得られた知見は、腱板修復術後患者に対する生活指導や、修復腱を保護しながら安全なリハビリテーションプロトコルを構築する上で有益な情報となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は、当初の計画どおりに研究を行うことができ、現在までに腱板修復術後患者17名の測定が終了した。目標人数が20名であるため、概ね達成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
腱板修復術後患者20名を目標に測定を継続する。また、Power Analysisを行い、必要があれば目標被検者数を調整する。被験者数が目標に達した時点で被検者の抽出は終了とし、国内外の学術集会で発表、国際的な医学雑誌への投稿を通じて研究成果を発信する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた物品の購入が不要となったため、次年度使用額が生じた。
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