研究実績の概要 |
本研究は、肺高血圧症(PH)患者に対する呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)の効果、安全性、改善の機序の解明、疾患特異的アプローチの構築を目的とした前向き研究である。平成29年度の1年間で、呼吸リハを実施したPH症例を数例蓄積した。各患者において、呼吸リハの前後で運動耐容能、健康関連QOL、身体活動量の改善を認めた。また、呼吸リハ前後で、心エコーの三尖弁圧較差(TRPG)に増悪がなく、安全性が示唆された。 また、PH患者における6分間歩行試験中の心拍数、SpO2の推移を評価し、重症例の方が、軽症例と比較して心拍応答(心拍数上昇に時間を要する)が低下することが明らかとなった。本研究については、学会発表、論文投稿を下記のように行なった。 Inagaki T, Terada J, Yahaba M,Kawata N, Jujo T, Nagashima K, Sakao S, Tanabe N, Tatsumi K: Heart rate and oxygen saturation change patterns during a 6-min walk test in subjects with chronic thromboembolic pulmonary hypertension. Respir Care 2018;63(5):573-583.) 稲垣武,寺田二郎,矢幅美鈴,他:慢性血栓塞栓性肺高血圧症における6分間歩行試験中の脈拍数・SpO2の変化と関連する因子について;第27回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 2017年11月17-18日
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