研究実績の概要 |
本研級は、肺高血圧症(PH)患者に対する呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)の効果、安全性、改善の機序の解明、疾患特異的アプローチの構築を目的とした 前向き研究である。平成30年度の1年間で、呼吸リハを実施したPH症例を数例蓄積した。各患者において、呼吸リハの前後で運動耐容能、健康関連QOL、身体活動量の改善を認めた。また、呼吸リハ前後で、心エコーの三尖弁圧較差(TRPG)に増悪がなく、安全性が示唆された。 また、PH患者における6分間歩行試験中の心拍数、SpO2の推移を評価し、重症例の方が、軽症例と比較して心拍応答(心拍数上昇に時間を要する)が低下することが明らかとなった。本研究については、学会発表(Inagaki T, et al. 第58回日本呼吸器学会学術講演会)、論文投稿を下記のように行いpublishされた。 Inagaki T, Terada J, Yahaba M, Kawata N, Jujo T, Nagashima K, Sakao S, Tanabe N, Tatsumi K.: Heart rate and oxygen saturation change patterns during a 6-min walk test in subjects with chronic thromboembolic pulmonary hypertension. Respir Care 2018;63(5):573-583. さらに、本研究の経過・取り組みについて、第24回日本心臓リハビリテーション学会、第28回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会のシンポジウムで発表し、下記のようにに投稿を行った。 稲垣武,寺田二郎,川田奈緒子,杉浦寿彦,坂尾誠一郎,田邉信宏,巽浩一郎:特集 肺高血圧症に対するリハビリテーション~肺高血圧症センター・肺移植認定施設における経験~ 心臓リハビリテーション 24,2018年,197~201. また、症例蓄積の中で経験した肺移植患者の呼吸リハビリテーションの経験について、第35回日本肺および心肺移植研究会 で報告した。
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