本研究は患者の上肢運動病態を再現できるアームロボットを用い,運動療法熟練者および初学者がロボットに与えた上肢運動療法を定量化し,運動療法技術の違いを明らかにし,それぞれの運動療法技術を判別できるシステムを開発し,初学者のリハビリ臨床技能教育に活用することを目的とした. 改良したアームロボットの実証実験の結果,熟練者に比べ初学者の方が,運動療法技術が不十分であり,回数を重ねた際の再現性も低いことが明らかとなった.また,初学者と熟練者の上肢運動療法技術において,運動学的にロボットアームを動かす速さと関節角度が異なり,最大角速度と最大角度の組み合わせで初学者と熟練者の技量を弁別できることが示唆された.
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