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2018 年度 実績報告書

慢性心不全患者のサルコペニアに対する栄養療法を併用するリハビリテーションの効果

研究課題

研究課題/領域番号 17K13062
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

相良 亜木子  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10767916)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードリハビリテーション治療 / 慢性心不全 / サルコペニア / 栄養療法 / 運動療法
研究実績の概要

近年,慢性心不全患者のリハビリテーション治療において,骨格筋量減少,すなわちサルコペニアが注目される.本研究では平成30年度に①心疾患で手術予定患者のサルコペニアの実態を調査し、心疾患の病態との関連を検討した。また②新たなサルコペニアの診断アルゴリズム(EWGSOP2)が示され,筋質の評価が注目されており,心疾患患者の筋質の検討を加えた.さらに③心疾患治療後に栄養指導・運動指導を実施した高齢患者の体組成や身体機能の変化の有無を検討した.
平成30年度の実績を次に示す.
①心疾患手術予定の高齢者35例(平均73.9歳)の体組成および握力や歩行能力を調査した.8例(23%)がサルコペニアと診断された.骨格筋量と握力,BMIに相関を認めた.サルコペニアは,虚血性心疾患よりも心臓弁膜症で多い傾向にあり,BNPが高く,BMIが低値を示した.心不全に伴い,カヘキシアから骨格筋量が減り,体重減少に至ったと考えた.
②高齢の大動脈弁疾患患者39例(平均82.9歳)の身体機能や体組成とあわせて,筋質をBIA法による位相角により評価した.位相角は4.2±0.8°で,握力や歩行速度と相関を認め,サルコペニア患者で低かった.心疾患患者では筋量だけでなく筋質も低下すると考えた.
③経カテーテル大動脈弁留置術を施行した高齢患者に,術後回復期リハビリテーションと退院時栄養指導・運動指導(有酸素運動中心)を実施した. 6か月後に再評価した6例(平均85.7歳,退院時にエネルギー必要量の118%(中央値),タンパク質1.1g/kg/day(中央値)を摂取)では,BNPは低下傾向,体重と体脂肪率は増加傾向で,握力や歩行速度,骨幹筋量は改善に乏しかった.心不全改善により栄養状態は良好となるが,活動増加に至らず,身体機能や骨格筋量が改善しなかったと考えた.長期的なリハビリテーション治療や運動指導の再考が必要である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 回復期リハビリテーション病棟における心疾患合併患者のリハビリテーション治療2019

    • 著者名/発表者名
      児玉直俊、相良亜木子、白石裕一、岡信幸
    • 学会等名
      第4回日本心臓リハビリテーション学会近畿地方会
  • [学会発表] 高齢慢性心疾患患者におけるサルコペニアの筋質に関する検討2019

    • 著者名/発表者名
      相良亜木子、大橋鈴世、沢田光思郎、遠山将吾、伊藤慎英、白石裕一、三上靖夫、久保俊一
    • 学会等名
      第56回日本リハビリテーション医学会学術集会
  • [学会発表] 高齢慢性心不全患者のサルコペニアの実態2018

    • 著者名/発表者名
      相良亜木子、白石裕一、今西桃子、根本玲、沢田光思郎、石田和也、大橋鈴世、三上靖夫、久保俊一
    • 学会等名
      第55回日本リハビリテーション医学会学術集会
  • [学会発表] 高齢慢性心不全患者のサルコペニアと基礎代謝量についての検討2018

    • 著者名/発表者名
      相良亜木子、今西桃子、児玉直俊、福嶋秀記、山名麻衣、山端志保、白石裕一、久保俊一
    • 学会等名
      第24回日本心臓リハビリテーション学会学術集会
  • [学会発表] 心臓外科手術を予定する高齢患者のサルコペニア2018

    • 著者名/発表者名
      相良亜木子、沢田光思郎、伊藤慎英、石田和也、伊藤倫之、大橋鈴世、白石裕一、三上靖夫、久保俊一
    • 学会等名
      第2回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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