研究課題
歩行パフォーマンスの評価として臨床的に良く使われている評価としては、歩行速度が挙げられる。歩行速度はストップウォッチ1つで簡便に計測可能で、臨床的意義も大きく一般的に広く普及している。一方で、歩行の遊脚時間などの時間因子や距離因子といった定量的な歩行パターンの評価(歩容の評価)を臨床で行うには、大掛かりな機器や解析に時間がかかるため制約が多いのが現状である。片麻痺者や片側下肢関節疾患の歩行では、至適速度やゆっくり歩いた歩容では良好な歩行パターン(ここでは左右対称性を指す)であるが、急いで歩くと代償動作の出現にともない、歩行パターンが悪化することがある。そのため、ある歩行速度のみで歩行パターンを評価するのではなく、歩行速度を変化させた条件で歩行パフォーマンス=量と、歩行パターン=質を抽出し、歩行を包括的に評価することが重要と考えている。当該年度に実施した研究としては、包括的な歩行指標を自動的に算出するアプリケーションの開発に着手した。また、実験室手法により得られたデータ(以下、従来法)と本システムで得られたデータとの差異、および誤差を検討した。
2: おおむね順調に進展している
本研究は4年の計画で実施する予定である。現在のところ当初の計画通り、おおむね順調に進展している。
今後は従来法と本システムとの関係性を分析し、統計学的見地から補正アルゴリムの確立を目指す。また、実際の高齢者および障害を持った方を対象とした臨床評価を行い、低歩行能力患者データを算出する。また、臨床で働く評価者にとっても本システムが臨床で運用可能であるか、質問紙法を用いて本システムの利点や問題点を明らかにする予定である。
当初の予定より物品費を抑えることができたため。
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理学療法科学
巻: 34 ページ: 107-110
臨床歩行分析研究会誌
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