口腔がん術後の構音障害の判定には発語明瞭度検査や会話明瞭度検査など患者の発話の聴取による方法が広く用いられるが、構音動態を客観的に評価した報告は少ない。本研究では、舌と口蓋の接触様式の観察が可能なエレクトロパラトグラフィ(EPG)と舌圧測定の情報とを組み合わせ、構音動態を客観的に評価する方法について検討した。 口腔がん術後症例の術後経過に伴って、100音節発語明瞭度検査の正答率が増加するのと同時に、最大舌圧値、連続発話時および唾液嚥下時の舌と口蓋の累積接触率も増加していることが明らかとなった。構音障害の改善を評価する客観的方法として、舌圧測定とEPGを用いることが有用であると考えられた。
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