化学療法誘発性末梢神経障害(chemotherapy induced peripheral neuropathy: CIPN)では,手指つまみ動作のスムーズが損なわれていることを明らかにした.具体的には,CIPNを有する症例では,手指の筋に過剰な出力が認められ,手指のスムーズさが欠けた運動制御となっていることを明らかにした.加えて,本研究では,確率共鳴が手指巧緻性を向上させるという結果も得られた.ヒトの手指巧緻性は単なる筋出力だけで構成されておらず,体性感覚フィードバック情報に基づく誤差修正プロセスが重要で,確率共鳴を利用した体性感覚の強化によって手指巧緻性が向上することが明らかにされた.
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