研究課題/領域番号 |
17K13092
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
野崎 修平 札幌医科大学, 保健医療学部, 研究員 (00593485)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 仮想荷重環境 / 足根骨 / 空間内位置 / 関節形態 |
研究実績の概要 |
本研究では、扁平足構造を複合的なアーチ構造から成る3次元空間構造として捉え、足根骨の3次元空間内における偏位、足根骨の偏位に影響を及ぼす足部関節肢位および関節形態を特定する。当該研究の遂行により、扁平足の構造偏位に立脚した新規足底板の設計、足部内在筋の筋力増強を目的とした効果的な運動療法開発を進めるための基盤情報を得る。 平成29年度は、CT画像撮影環境において生理的立位条件を模倣するための仮想荷重装置を開発した。仮想荷重装置は、足底板、背板、肩パッドの3部位から成り、被験者の身体へ体重比100%の軸圧を加えることが可能となるよう設計された。仮想荷重環境が立位姿勢を模倣しているか確認するため、健常成人5名10足を対象に、立位及び仮想荷重の2条件における足底荷重値・圧を計測した。仮想荷重条件の計測肢位は、背臥位、膝関節伸展0度、足関節中間位とし、荷重値のモニターのために足底に体重計を設置した。体重計が体重比100%の荷重量を示すまで、荷重装置の負荷量を調整した。軸荷重負荷に伴い被験者が疼痛を自覚することはなく装置の安全性が確認された。また、立位・仮想荷重の2条件において、足底全体の荷重値に有意差は認められなかった。さらに、足底全領域及び前・中・後足部領域それぞれの足底圧は、立位・仮想荷重条件間で有意差を認めなかった。以上の結果から、仮想荷重装置適用の妥当性と安全性が担保された。 平成30年度は、開発した仮想荷重装置を用い、扁平足症例の荷重CT画像から構築した足部骨モデルを対象に、扁平足の足根骨の偏位を探索する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度において仮想荷重装置の開発が完了したが、扁平足症例のデータ収集までには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に開発した仮想荷重装置を用い、速やかに扁平足症例の荷重CT画像データを収集する。得られたCTデータから扁平足の3次元骨モデルを構築し、空間座標内における足根骨の偏位を特定する。さらに、扁平足の足根骨偏位と関連する足部関節肢位および関節形態を探索し、有効な足底板設計の検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度の購入備品である3D-CADソフトウェアを予定額より安価に購入したことから、次年度使用額が発生した。次年度使用額は、得られた研究成果を発信するための渡航費及び論文投稿費に割り当てる。
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