研究課題/領域番号 |
17K13093
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研究機関 | 山形県立保健医療大学 |
研究代表者 |
横井 香代子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (70733856)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高齢者 / 自動車運転 |
研究実績の概要 |
高齢者による交通事故数は年々増加しており,社会的な問題となっている.中でも「考えごとをしていた」といった運転に対する注意・集中力の低下が引き金となった事故が多くを占める.そのため注意・集中が低下した際の高齢者の運転特性を明らかにすることは重要である.そこで本研究の目的は,運転中の注意・集中が低下した状況を疑似的に作り,①高齢者の運転特性を明らかにすること,②高齢運転者の事故の発生機序を明らかにすることを目的としている.本研究により, 地域で暮らす高齢者が安全に運転を実施するための,危険予測,回避の手がかりを見出すことが可能になると考えている. 本研究は,本学に設置されている運転シミュレータおよび新たに購入した視線計測装置を用いて高齢者を対象に実験を行う.具体的には,被験者に視線計測装置を装着したうえで,運転シミュレータによる運転を行ってもらい,集中した状況下での運転課題および集中が低下した状態での運転課題の成績を比較検討する. 平成29年度は高齢者の運転に関する実験実施に向けた文献検討と研究計画策定を行った.その結果,当初計画案にはなかった自動車事故の種類も指標として重要なことが分かり,新たに質問紙を追加することとした.また予備実験により,運転シミュレータの運転を行うとシミュレータ利用に伴う動揺病(シミュレータ酔い)が発生する可能性が示唆された.そのため,被験者に対して標準化された動揺病に関する質問紙を実験前に実施し,動揺病に対する感受性が高いと判断された者を除外することとした.その他の当初計画案にあった予測・判断・操作に関する指標に関しては,高齢者の測定指標として信頼性・妥当性が高いこと,天井効果や床効果が少ないこと,反応性が高いことを確認し,当初の予定通り使用することとした.現在本研究は,倫理審査委員会に審査を申請中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度中に実験を開始する予定であったが、倫理審査委員会に本研究の審査を申請するまでにとどまった。その理由として,研究計画立案当初には予定していなかった長期出張(4か月弱)に急遽行くこととなり,研究を遂行できない期間があったことや,実験に必要な機器の購入が遅くなったこと,運転シミュレータの操作方法が複雑で習得に時間がかかったことが挙げられる.さらに予備実験を行った際に,被験者に運転シミュレータ酔いが生じる可能性が明らかになったことから,動揺病に対する感受性が高い被験者を除外する方策を検討するのに時間を要したことも理由である
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今後の研究の推進方策 |
倫理審査委員会の承認を得てから実験を開始する.早ければ6月から実験開始できる予定である.また研究の実施にあたっては,多くの被験者を必要とするため,各研究協力機関と打ち合わせを行い,研究協力機関の協力のもと中高年・高齢者を募集する. 研究協力の同意を得た被験者に対し,背景情報取得後,運転シミュレータによる運転課題を実施する.被験者1名に対して2日~3日に分けて実験を行う予定である. なお平成30年度は学内業務を調整し,研究に集中できる期間を設ける予定である.これにより実験を行う時間を確保できるため,これまでの遅れを取り戻すことができると考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度から実験を開始し,被験者への謝金を支払う予定であったが,実験開始が遅れたため,未使用額が生じた.そのため平成29年度から開始する予定であった被験者への実験を平成30年度に追加して行うこととして,未使用額はその経費に充てることとしたい.
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