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2017 年度 実施状況報告書

脳卒中患者のニューロフィードバックを用いた運動リハビリテーションの効果

研究課題

研究課題/領域番号 17K13096
研究機関自治医科大学

研究代表者

手塚 正幸  自治医科大学, 医学部, 助教 (40721311)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード脳卒中 / リハビリテーション / NIRS / ニューロフィードバック / 前頭前野
研究実績の概要

研究の基本的スキルの獲得(Matlabによるデータ解析手法など)を進めた。併せて、研究テーマに沿った実験パラダイムの考案を進め、近赤外分光法(functional near-infrared spectroscopy)を用いた神経活動計測のための系を構築した。さらに、健常成人ならびに軽度片麻痺を伴う脳卒中患者を対象としたパイロット実験を積み重ねた。
また、先行基礎研究として、健常若年者を対象とした24症例に視覚条件と振動条件の探索課題を行い、2つの条件での探索効率を比較しどちらが優位か計測することと同時にfNIRSを用いて運動課題中の前頭前野活動を測定した。
その結果、視覚条件課題では個人差がみられず、振動条件課題では個人差を認めた。その個人差を反映する脳記番として両側背外側前頭前野の脳活動であることが示唆された。
この背外側前頭前野が内在する脳機能としてはワーキングメモリがあるが、そのワーキングメモリの脳機能に介入する新たな手法としてfNIRSを使ってリアルタイムに個人の脳活動を測定し、個々人に応じた最適な脳状態へと誘導するニューロフィードバックを行う系を構築した。このようなリアルタイムニューロフィードバック系を用いて、当院に入院している片側片麻痺を有する急性期脳卒中患者例においても、両側の背外側前頭前野活動を望ましい状態へと変調させることが可能であることも実証し、脳神経外科学会に報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

先行研究をもとに、脳卒中患者においても本リアルタイムニューロフィードバックを用いて、得られるか結果を検証していく計画である。
現在、本院脳神経外科・神経内科に入院している急性期脳卒中症例を対象としてfNIRSを用いてリアルタイムに両側背外側前頭前野活動が高まるようにニューロフィードバック訓練を行う実験を行っているが、まだ十分な症例数が集まっていない。

今後の研究の推進方策

脳卒中急性期の症例に対して、本ニューロフィードバック系を用いて前頭前野活動の修飾訓練を行うことにより、両側背外側前頭前野の活動上昇の傾向がありそうである。また、振動条件探索効率が本ニューロフィーバック訓練により改善する傾向がありそうであるが、まだ症例数は少なく実証できていない。さらなる症例数を増やし、統計学的有意差が出るよう実験を進めているところである。さらに、比較対象としてコントロール群や健常者群でも本実験を行って群間差を検証していく予定であり、より多くのデータの蓄積が必要である。

次年度使用額が生じた理由

初年度は不足する物品補充の購入が多かったが、次年度は症例数を集めるための謝金やデータ解析が多く必要となることが予想される。より多くのデータ集積・高精度解析にも予算を充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 運動機能障害リハビリテーションの効果促進を目的としたニューロフィードバックによる前頭前野の脳活動修飾訓練2017

    • 著者名/発表者名
      手塚正幸,松本万由子,櫻田武,川合謙介
    • 学会等名
      第76回日本脳神経外科学会学術総会

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公開日: 2018-12-17  

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