本研究では、4つの成果がある。1つ目に血液透析患者の性別、年代別の身体機能等の代表値を示した。2つ目に健康寿命の喪失と一義的に定義した自力歩行能力の喪失には、たとえ歩行が自立した患者であっても、運動パフォーマンスが低下した患者は健康寿命喪失のハイリスク患者であること、3つ目にハイリスク患者に対して透析中に理学療法士等が患者毎に最適なレジスタンストレーニングを行うことにより運動パフォーマンスを向上させうることを示した。さらに、透析患者は、歩行能力等の回復が不十分な状態で自宅退院となり外来透析へ復帰している患者が多いと考えられ、健康寿命を喪失した状態で透析療養生活を送るリスクが高いと示唆された。
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