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2017 年度 実施状況報告書

包括的な破損・修理対策に向けた下肢装具ユーザー像の構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K13110
研究機関国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)

研究代表者

石渡 利奈  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 研究室長 (10415359)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード下肢装具 / 短下肢装具 / 規格 / 試験評価 / 破損 / 修理 / ユーザー特性 / 人間工学
研究実績の概要

本研究では、破損・修理に対する包括的な対処に役立てることを目的とし、規格作成の基盤となる下肢装具のユーザー像を構築する。具体的には、①工学的試験評価の観点から下肢装具の類型化、②工学的試験評価に関連するユーザー特性の抽出、③典型的な破損・修理の事例、ユーザー特性データの集積を行って、④下肢装具とユーザー特性との関係性を可視化するマップを開発する。平成29年度は、①~③について、以下の研究を行った。
①義肢装具等完成用部品データベースや文献、学会(日本理学療法学術大会、義肢装具士協会学術学会、日本義肢装具学会学術大会)、義肢装具製作所、パーツメーカー等での情報収集結果を基に、下肢装具、継手の種類ごとの機能や材質を示す表を作成した。また、本表を基に、工学的試験評価およびISO/JIS規格作成の専門家と意見交換を行い、試験評価(強度、耐久性等)の観点から、下肢装具を類型化した。さらに、代表的な下肢装具、継手の種類毎に求められる試験評価の項目を抽出した。
②回復期リハ病院や更生相談所を訪問し、装具療法に携わる医師、理学療法士、義肢装具士等にヒアリングを行い、下肢装具ユーザーに関する特性と処方や破損修理の実態について、聴取した。また、下肢装具の工学的試験評価を行っている大学研究室、支援機器の試験評価機関等を訪問して、最新の試験評価方法に関する動向調査を行った。
③先行研究で収集した破損修理事例を分析し、金属製下肢装具/プラスチック製下肢装具の破損状況を明らかにし、義肢装具学会で成果を発表した。また、次年度以降に予定していた破損事例収集の計画を前倒しで進め、スマホアプリによる破損装具写真と関連情報の収集システムを構築した。さらに、義肢協会および鉄道弘済会に、事例収集への協力依頼をし、全国の義肢製作所100社から協力の内諾を得て、事例募集要領、事例登録に関するQ&Aを配布した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

平成29年度の当初計画は、①、③を進める計画であり、概ね目標を達する成果が得られた。なお、③については、次年度以降に予定していた破損事例の収集を早めに開始することとし、アプリの構築を行った。さらに、②についても、情報収集を開始したことから、当初の計画以上に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

平成30年度は、②について、JIS規格作成時の調査研究資料、文献、学会等での情報収集を基に、下肢装具ユーザーの障害関連特性、運動特性、生活特性、一般特性との項目、内容を整理した表を作成する。本表を基に、臨床現場の専門家にヒアリングを行い、下肢装具の種類毎に考慮すべきユーザー特性の内容を抽出する。さらに、工学的試験評価およびISO/JIS規格作成の専門家と意見交換を行い、装具への負荷を中心として、規格作成の際に参考となるユーザー特性の項目と内容を明らかにする。
また、③について、平成30年度から、31年度にかけて破損事例を集積し、結果を分析する。
平成31年度は、④について、類型化した下肢装具の種類毎にユーザー特性の項目と内容を対応づけたマップを作成する。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた謝金の支出がなくなり、破損事例収集システム開発、運用・分析のためのパソコン購入等に宛てたが、残額が生じた。
平成30年度は、破損事例収集に関して、サーバーソフトに29万、クラウド利用料金に、43万を支出予定である。他、学会参加費、情報収集のための旅費等を支出予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 短下肢装具の破損・修理情報収集システムの構築2017

    • 著者名/発表者名
      石渡利奈、高嶋孝倫、松本芳樹、安井匡、井上剛伸
    • 学会等名
      日本義肢装具学会学術大会

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公開日: 2018-12-17  

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