研究実績の概要 |
本研究の目的は、軽度認知機能障害(Mild Cognitive Impairment: MCI)を有する地域在住の安全運転を支援するデバイス開発に向けた基礎研究として、①運転に対する意識や態度などの心理的特性および運転技能について横断的に把握すること、②どのような特性あるいはどれくらいの運転技能を有するMCI高齢運転者が将来交通事故、違反あるいはヒヤリハット経験を発生しやすいのかを縦断的に明らかにすること、である。 本年度は、まず研究対象者であるMCI高齢運転者および健常高齢運転者の選定を行った。続いて、それぞれ20名ずつを対象に、運転に対する心理的特性の測定および運転技能の測定を行った。運転に対する心理的特性については、運転技能への自信やせっかちな運転傾向を含む8つの下位尺度からなる運転スタイルチェックシート(Driving Style Questtionnaire: DSQ)[石橋他, 2004]、そしてさまざま運転場面における合図、ハンドル操作、速度、確認がどの程度できているかを評価する運転ぶり自己評価表[太田他, 2004]を用いて評価した。また、運転技能については、自動車学校の教官による路上での実車検定により評価した。 今年度に引き続き来年度も、健常高齢運者ならびにMCI高齢運転者の運転に対する心理的特性ならびに運転技能の測定(それぞれ30名程度を予定)を行い、運転に対する心理的特性と運転技能の関連について横断的に検討する。また研究成果の発表として国内学会ならびに海外学会での発表や海外雑誌への論文の投稿を行う。
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