研究課題/領域番号 |
17K13111
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研究機関 | 近畿大学九州短期大学 |
研究代表者 |
堀田 亮 近畿大学九州短期大学, 保育科, 准教授 (50648607)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 運転 / 高齢者 / 心理学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、軽度認知機能障害(Mild Cognitive Impairment: MCI)を有する地域在住の安全運転を支援するデバイス開発に向けた基礎研究として、①運転に対する意識や態度などの心理的特性および運転技能について横断的に把握すること、②どのような特性あるいはどれくらいの運転技能を有するMCI高齢運転者が将来交通事故、違反あるいはヒヤリハット経験を発生しやすいのかを縦断的に明らかにすること、である。 本年度は、昨年度に引き続き、MCI高齢運転者および健常高齢運転者の選定を行い、昨年度と合わせてMCI高齢運転者50名、健常高齢運転者28名を対象に、運転に対する心理的特性の測定および運転技能の測定を行った。運転に対する心理的特性については、運転技能への自信やせっかちな運転傾向を含む8つの下位尺度からなる運転スタイルチェックシート(Driving Style Questtionnaire: DSQ)[石橋他, 2004]、そしてさまざま運転場面における合図、ハンドル操作、速度、確認がどの程度できているかを評価する運転ぶり自己評価表[太田他, 2004]を用いて評価した。また、運転技能については、自動車学校の教官による路上での実車検定により評価した。運転に対する心理的特性と運転技能の関連について、現在解析中である。 来年度は、運転に対する心理的特性や運転技能が交通事故、違反、ヒヤリハット経験の発生と関わるか否かについて縦断的に検討する。また、研究成果の発表として国内学会ならびに海外学会での発表や海外雑誌への論文の投稿を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画としては、昨年度と合わせて、本年度中にMCI高齢運転者50名、健常高齢運転者50名、計100名を対象に自信や不安などの運転に対する心理的特性および運転技能の測定を実施する予定だったが、健常高齢運転者については28名の測定にとどまった。一方で、本研究において主となるMCI高齢運転者については研究計画の予定通り50名測定を終えていることから、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、MCI高齢運転者ならびに健常高齢運転者を対象に測定を行った、自信や不安といった運転に対する心理的特性と運転技能という両者の関連について横断的に検討し明らかにする。 また、本研究の主要な目的の一つである、運転に対する心理的特性や運転技能が交通事故、違反、ヒヤリハット経験の発生と関わるか否かについて縦断的に検討を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用が生じた理由として、今年度の研究を進めていくうえで対象者を募集するために時間を費やし、学会発表ならびに論文投稿が進められなかった点が挙げられる。そのため、次年度の使用計画として今年度終えた研究成果について速やかにまとめ、学会発表ならびに論文投稿を進めていく。
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