本研究では、MCI高齢運転者の運転技能や運転に対する心理的特性を把握し、交通事故や違反あるいはヒヤリハット経験と関連するか否か明らかにすることを目的とした。MCI高齢運転者と健常高齢運転者において運転に対する心理的特性や運転ぶりの自己評価を比較したところ顕著な差はみられなかったが、その後の交通事故の有無を調べたところMCI高齢運転者は健常高齢運転者に比べ事故を起こした割合が多いことが明らかとなった。これらのことから、MCI高齢運転者は交通事故発生の予防、減少という観点において非常に重要な対象層であることが示唆された。
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