本研究では、「学び合う関係」の構築に必要な教室授業や日常生活における共感や協調性と体育授業におけるゲーム領域の連携技能の関係を検討した。 その結果、教室授業で他者の声に耳を傾けたり、日常生活で他者と価値を創造できたりする児童は、身体運動の中で仲間の意図や力量を推し量り、相対的な位置取りができることが明らかとなった。反対に、教室授業で聴く行為が良くなかったり、日常生活で協調性が低いと評価されたりする児童は、自らの興味に依る刺激へ反応し、仲間に注意が払われない傾向が見られた。しかし、他者と連携が必須となる身体運動の課題制約により、普段共感や協調性が低い児童にも、連携が生まれる可能性も示唆された。
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