研究課題
若手研究(B)
本研究では、渡邊昇の剣術界への貢献を、武術・武道界のなかでの位置づけへと捉え直して論じた点、また剣術・剣道と柔術・柔道などを技術的側面から個別に検討するのではなく、日本の思想や武道の思想の観点から前近代から近代へのその思想底流を示唆した点に一定の成果がみられる。しかしながら、最終的な総括に対して慎重な検討がなされるべきであるという結論に至り、課題の再設定をすべきであることが明らかになった。
体育史
わが国の近代の体育・スポーツと武術・武道を、幕末日本の思想に着目しながら、身体運動文化及び身体教育として包括的に把握しようとする点に学術的意義を有する。また、当該課題の主たる対象である渡邊昇(以下、昇)の剣術に焦点を当てることによって、包括的一面のみならず、地方史・郷土史としての一面をも有し、国民に向けた社会的発信の過程のなかで当該成果が多角的な見方を提供可能とする点に社会的意義を有する。