研究課題/領域番号 |
17K13128
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研究機関 | 森ノ宮医療大学 |
研究代表者 |
下村 咲喜 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 助手 (20784581)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 骨盤底筋群 / 腹圧性尿失禁 / エクササイズ / 女性 |
研究実績の概要 |
現状では,多くの骨盤底筋群(以下PFMs)エクササイズが普及しているが,一方で,エクササイズをして本当にPFMsは収縮しているのか,骨盤底はどれくらい挙上できているのか,根拠が不明確で指導方法も確立していない.羞恥心から病院受診に抵抗がある軽症患者に対して,簡単なホームエクササイズで症状を改善させる必要がある.そこで我々は,軽度の腹圧性尿失禁罹患者や妊婦に対して,正しい知識や根拠に基づいたPFMsエクササイズを確立し,オンデマンド配信することで,対象者のホームエクササイズ実施に有益となると考えた. 平成29年度は,PFMsエクササイズ時の膀胱底挙上量を計測し,PFMsエクササイズ指導の根拠を得るために,計測方法の検者内信頼性について(実験①),客観的難易度と主観的難易度の相違について(実験②)調査した. 実験①では,背臥位で肢位を変えることなく計測可能な5つの方法で検討した.各方法を5回ずつ計測し,最大値,最小値,全5回の平均値,最大値と最小値を除いた中央3回の平均値を統計に使用し,採用値の検討も同時に行った.実験②では,実験①で検者内信頼性の得られた5つの方法で行った.「客観的難易度」は膀胱底挙上量とし,「主観的難易度」は計測直後にアンケート調査を行った. 検討した結果,中央3回の平均値を用いることで,いずれの姿勢も検者内信頼性は高値を示した.実験②の結果からは,客観的難易度と主観的難易度は必ずしも一致しないことが示唆された. 今後は対象者を増やし,介入研究を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基礎実験の対象者設定が不十分であったため,実際の計測前に,対象者設定の再考が必要となった.また,研究計画書作成時点では,無料画像処理ソフトImage-Jを用いて,膀胱底挙上量を算出すると予定していたが,超音波画像診断装置内での計測に変更した.
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今後の研究の推進方策 |
エクササイズの階層性に応じた運動処方の介入研究を予定している.介入研究実施後,その結果に基づいて,教育用デジタルコンテンツを作成する.
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次年度使用額が生じた理由 |
介入研究まで到達していないため,デジタルコンテンツ作成用の費用等が残っている.
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