本研究では、短距離走における「腕振りの方向」、「腕振りの大きさ」、「肘の屈曲・伸展動作」が疾走能力に及ぼす影響を検討した。その結果、「腕振りの方向」については性差が認められ、男子では「縦方向」、女子では「横方向」の割合が大きい傾向がみられた。また、女子においては、比較的疾走能力が高い競技者においても「横方向」の割合が大きかった。 「腕振りの大きさ」、「肘の屈曲・伸展動作」についても性差が認められ、男子では腕を大きく振っている者の疾走能力が高い傾向が認められたが、女子ではそのような傾向は認められなかった。また、男女とも「肘の屈曲・伸展動作」については、疾走能力との間に関連性はみられなかった。
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