研究実績の概要 |
平成30年度より申請者の所属機関が変わり(沖縄高専→沖縄大学),研究環境が大きく変わった.具体的には,現在の所属機関には実験用トレッドミルと呼気ガス分析機が設置されていない.そのため,当初予定していた最高酸素摂取量測定が実施できなかった.そこで,研究計画を変更し,前年度までに得られた研究成果の生理学的背景を検討しようと考えた. 平成30年度は,20mシャトルラン(20mSRT)中の筋脱酸素化指標と心臓自律神経活動動態の関連性について検討を行った.男子大学生を対象に,文部科学省新体力テストの実施要領に準じて20mSRTを行った.その際に,外側広筋の組織酸素動態および心電図を連続的に記録した.筋脱酸素化指標の解析は,我々の先行研究(Kume et al. Clin Physiol Funct Imaging 2018, Kume et al. Pediatr Exerc Sci 2018)に準じて行った.すなわち,対象者毎にOxy-HbとDeoxyHbの変化量の差分(Δ[Oxy-Hb-Deoxy-Hb])の経時変化の回帰分析を行い,2本の回帰直線の交点を筋脱酸素化の変曲点とした.2本目の回帰直線が1本目よりも負の傾きを示した場合,当該変曲点を筋脱酸素化加速開始点と定義した.これまでに,NIRSデータの解析は完了している.心電図データに関しては,心拍変動解析から複数のパラメータを算出した.現在,測定パラメータの時系列解析を進めるとともに,評価方法を検討中である.
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