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2018 年度 実施状況報告書

人類学的手法を用いた武術思想の実践的研究:新陰流を事例にして

研究課題

研究課題/領域番号 17K13133
研究機関茨城大学

研究代表者

中嶋 哲也  茨城大学, 教育学部, 准教授 (30613921)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード型 / 稽古法 / 新陰流 / フィールドワーク
研究実績の概要

2018年度は"Martial Arts Studies"(https://masjournal.org.uk/)という国際誌に原著論文"JAPANESE MARTIAL ARTS AND THE SUBLIMATION OF VIOLENCE: AN ETHNOGRAPHIC STUDY OF SHINKAGE-RYU"が掲載された。これは本研究で調査している新陰流の民族誌的な研究である。従来、文献や言語資料を用いた歴史学的・社会学的な研究が主だった日本の武道研究に、人類学的なフィールドワークを導入したことで、オリジナリティのある研究成果が生み出せたと考えられる。内容としては新陰流の稽古法について概観し、その稽古がどのような目的で行われるのかを考察したものである。稽古の目的については調査地の人々も明瞭に答えられない(修行の途上で試行錯誤している)ので、こちらで歴史資料を補って考察することになった。結果的に当該調査地の稽古には、相手の身体に袋竹刀を当てる直前の局面に技術的な工夫があり、その直前の工夫によって勝利を得ようとする様子がみられた。このことから、相手を殺傷する技術の質的な転換、すなわち殺傷する手前で勝敗をつける技術が殺傷を目指す技術の中に胚胎しているのではないかという指摘をした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

文献研究者が練り上げてきた型概念をフィールドワークで得られた知見から相対化する試みは2018年度中に成果として挙げたかったが、論文として成果を発信するには至っていない。

今後の研究の推進方策

2019年度は前年度から引き続き論文を作成し、所属学会に投稿したい。その後、次の課題、すなわち、調査地の人々が自流派の伝書をどのように読み、そこからどのように過去の形を復元するのかを調査している。この復元方法に学術的な基礎付けを与える研究を今後予定している。それによって武道の技術史が発展すると考えられるためである。

次年度使用額が生じた理由

論文投稿等の研究計画の遅れに伴い、これに要する経費が未使用となった。未使用額については2019年度の物品費のための経費に充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Japanese martial arts and the sublimation of violence: An ethnographic study of Shinkage-ryu2018

    • 著者名/発表者名
      Nakajima Tetsuya
    • 雑誌名

      Martial Arts Studies

      巻: 6 ページ: 62~74

    • DOI

      http://doi.org/10.18573/mas.68

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2019-12-27  

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