研究課題/領域番号 |
17K13145
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研究機関 | 亜細亜大学 |
研究代表者 |
石黒 えみ 亜細亜大学, 経営学部, 講師 (60781028)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 貨幣価値推計 / スポーツ指導者 / ボランティア |
研究実績の概要 |
近年、わが国でもスポーツ産業規模の計測を試みる研究が行われているが、スポーツボランティア部門の規模・価値の計測に取り組んだ例はみられない。2020年東京オリンピック・パラリンピック後に予測される「するスポーツ」のニーズ拡大を鑑みると、スポーツボランティアの中でも、グラスルーツレベルで日常的に活動しているスポーツ指導者の役割は増大する可能性が高い。彼らが創出している価値を民間部門と比較可能な形で計測することは今後のスポーツ政策・雇用創出を検討するうえで重要な情報となる。 そこで、本研究ではわが国全体でボランティアスポーツ指導者が創出している価値、すなわちボランティアスポーツ指導市場の貨幣価値を明らかにすることを目的とする。具体的には、「一人あたり無償労働時間」、「時間あたり賃金」、「人口」を調査することにより、ボランティアスポーツ指導市場の貨幣価値を推計する。 2018年度は、2017年度のインターネット調査結果の集計分析を行うとともに、関連学会等で成果の発表を行った。また、2018年度は当初は貨幣価値推計の代表的な手法である代替費用法を用いて類似産業である民間部門のスポーツ類似サービスの賃金データを取得する予定であったが、関連資料のレビューにより先行研究や各種統計等からある程度の情報得ることが可能だと判断できたため、サービス享受側の視点での貨幣価値推計手法である支払い意志額(WTP)に関する調査を実施すべく準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初実施予定だった賃金データ取得の手法検討に時間を要したこと、検討の結果実施することとなったWTPに関する調査の設計に時間を要しており、2018年度に実施予定の調査が未完了の状況となっているため当初よりやや遅れていると判断する。 具体的理由には、賃金データ取得のための調査デザイン設計と関連資料レビューを同時並行で進めていたが、その結果当初予定していた賃金データではなくスポーツ指導サービス享受者側を対象とした調査を実施することとなり若干の遅れが生じることとなった。これに加え、これまで得られた結果を用いた研究成果発表のため、データ再分析等の作業に時間を要したことも作業が遅れている一因である。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度はまずはサービス享受者の視点から貨幣価値(WTP)を算出するために必要なデータを取得予定である。具体的手法としてはインターネット調査を実施する予定であり、現在調査デザイン、サンプリング等について検討を進めている。また、今年度が最終年度となるため、これまでの調査結果を踏まえスポーツ指導部門における雇用創出可能性についても検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、2018年度にインターネット調査を実施予定であったが、設計等の検討に時間を要し未実施となっているため相当額が次年度使用額となっている。調査内容・経費に大きな変更は予定しておらず、2019年度のできるだけ早い次期に調査を実施し、集計分析作業を進めていく予定である。
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