本研究は、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局が推進したホストタウン事業に登録した自治体(以下、ホストタウン自治体)の取り組みを対象にする。ホストタウン自治体が、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京大会)の開催によって生じる参加国・地域との交流活動やキャンプ実施を通じて、どのような影響を受け、そして、それらの取り組みが東京大会後の波及効果にどのように結びつくのか、探求する必要がある。本研究は、主に、東京大会前のホストタウン自治体の取り組みに注目し、調査を実施してきた。 昨年度は、延期されていた東京大会が開催され、2020年に予定していた大会後のホストタウン自治体に対するアンケート調査を1年遅れで実施をした。ホストタウン自治体が、それまでの準備期間の取り組みを踏まえながら、対象国・地域とどのような関係を構築したのか把握した。調査は大きく2つ実施した。1つ目が、全ホストタウン自治体を対象としたアンケート調査である。調査票は、2021年9月に電子メールを通じて配布した。回収率は76%(373/491)であった。アンケート調査では、ホストタウン事業に関連するこれまでの取り組み、今後実施していく予定のある取り組み、取り組みの成果として考えていることなどについて把握した。2つ目が、活発なホストタウン事業を展開した自治体を対象にしたインタビュー調査であり、オンラインテレビ会議システム等を用いて計11の自治体を対象にインタビュー調査を実施した。 2021年度は、2018年3月、2020年3月に実施したアンケート調査の結果も利用しながら、論文を発表し、今後、2021年度に収集したデータの分析結果と合わせて、学会発表、論文発表を行っていく。
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