本研究では、下肢関節伸展のタイミングの違いにより、背泳ぎスタートパフォーマンスにどのような影響を与えるかを検討した。対象者は選手11名とし、スタート時に股関節伸展後に膝関節伸展(KAH)、股関節と膝関節の同時伸展(SHK)、股関節伸展前に膝関節伸展(KBH)の3つを用いた。最も5mタイムが短いのはKAHであり、足離れ時の大転子垂直位置は、KAHとSHKがKBHよりも高く、KAHでは、指先から大転子が水中に入るまでの水平距離である入水範囲が最も短かった。この結果から、KAHは足離れ後のアーチ姿勢をとりやすくし5m通過時間を短縮するホールエントリーを可能にすることが示唆された。
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