研究課題
若手研究(B)
剣道が目指す人間形成について検討するために、風景構成法の表現を手掛かりとして、剣道選手の人格特性に着目した。剣道選手の風景構成法には、競技者の描画に特異的に描かれるといわれてきた表現だけでなく、一般に小学生から高校生時期の転換期や、いわゆる成長途上に多くみられる特徴が表現されていた。剣道は、高い競技性とともに、生涯を通して稽古を継続することで自ら精進し続けることができる側面を持ち合わせており、そうした武道としての特性が剣道選手の人格特性に影響していることが明らかになった。
スポーツ科学
剣道選手の人格特性を明らかにした本研究成果は、剣道が目指す人間形成について実証的に理解するための一助となる。また、風景構成法を用いたことで、より剣道選手の精神的な内的世界の人格特性を理解することができる。武道が目指す人格像を明らかにすることは、後世へ残すべき伝統文化的な側面を広く伝えることになる。