研究実績の概要 |
占領期の日本本土における駐留米軍のスポーツ活動の実態を明らかにすべく、2019年8月10日から9月2日までの平日8:45から17:45まで、アメリカ国立公文書館新館(National Archives and Records Administration Ⅱ)にて、アメリカ陸軍第8軍資料群(Record Group 338)に所収されている日本占領軍各都道府県軍政部の年次・月例報告書を閲覧・収集した。その結果、これまで明らかにされてこなかった各県におけるアメリカンフットボール・タッチフットボールの活動について以下のような新事実が明らかになった。 【富山】1948年9月、700名の市民が参加した全県スポーツ大会の一環として、アメリカンフットボールが行われた。1948年12月、タッチフットボールの講習会が3回開かれ、35名の高校教員、49名の中学校教員、70名の小学校教員、生徒たちが参加した。【愛知】1948年10月、空軍基地でタッチフットボールのリーグ戦が行われた。【熊本】1948年11,12月,1949年1月、タッチフットボールが行われた。【千葉】1948年11,12月,1949年1,11月、タッチフットボールが行われた。【新潟】1948年12月、タッチフットボールが行われた。【山形】1949年9,10月、アメリカンフットボールが行われた。 富山の事例は直接的に、富山以外の事例は間接的に、アメリカ軍のスポーツ活動が日本の人々のスポーツ活動に影響を与えた、または影響を与えた可能性がある事例であり、今後、日本側の資料と突き合わせ、更に詳細を明らかにする必要がある。また、これらの事実は今回初めて明らかになっただけでなく、管見の限りでは、これらの事例が各県で史上初めてアメリカンフットボールまたはタッチフットボールが行われた事例であり、その意味でも歴史的な意義がある。
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