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2018 年度 実施状況報告書

常圧低酸素環境の特性を生かした新たなスポーツトレーニング方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K13165
研究機関立命館大学

研究代表者

森 寿仁  立命館大学, 総合科学技術研究機構, 特別研究員 (90794298)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードスプリント / 発揮パワー / インターバル / 休息
研究実績の概要

2018年度は,低酸素環境下でのスプリント運動のセット間の休息中における酸素濃度の相違がエネルギー代謝および発揮パワーに及ぼす影響について検討を行なうことを目的とし,予備実験を行なった.
自転車競技選手2名を対象に,6秒の全力ペダリング運動を30秒の休息を挟み5本,それを6分30秒の休息を挟み3セット(合計15本)実施した.環境条件は①運動(低酸素)-休息(低酸素),②運動(低酸素)-休息(通常酸素),③運動(通常酸素)-休息(低酸素),④運動(通常酸素)-休息(通常酸素)とした.なお,被験者は通常酸素(吸気酸素濃度20.9%)または低酸素(吸気酸素濃度13.6%,標高3500m相当)に設定された室内においてペダリング運動を実施し,ダグラスバッグに溜められた通常酸素または低酸素の空気をマスクを介して休息時に吸引することとした.測定項目は,ペダリングの各セットの発揮パワーおよび3セット目終了後における血中乳酸濃度とした.
1セット目から3セット目の発揮パワーの低下率は①および②が③および④と比較して大きかったが,①および②,③および④の間には大きな違いは認められなかった.また,3セット終了後の血中乳酸濃度でも同様に,①および②が③および④と比較して高値を示したが,①および②,③および④の間で大きな違いは認められなかった.
したがって休息中の吸入酸素濃度の相違はエネルギー代謝および発揮パワーに対して大きな影響をもたらさない可能性が示された.2019年度は,同様の実験プロトコルをもちいて本実験を実施する予定としている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

所属機関の実験室利用の混雑等の事情から実験準備等に時間を要したが,予備実験を実施し本実験の実施の目処を立てることができている.したがって,当初の予定よりはやや遅れているものの着実に進捗していると言える.

今後の研究の推進方策

今後は,実施した予備実験の結果を元に実験プロトコルを修正し,実験を実施する.ただし,研究代表者が2019年度より他大学に異動することとなり,実験を実施するに当たり予期せぬ出費等があることが予想される.また,実験の実施可能時期も限られるが,それは周到に準備をした上で短期間で実験を実施することで補う.

次年度使用額が生じた理由

2018年度は実験室の都合から本実験を実施するまでには至らなかった.しかし予備実験までは終了しており,本実験の実施予算として使用する予定である.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Effects of Respiratory Muscle Endurance Training in Hypoxia on Running Performance2019

    • 著者名/発表者名
      KATAYAMA KEISHO、GOTO KAZUSHIGE、OHYA TOSHIYUKI、IWAMOTO ERIKA、TAKAO KENJI、KASAI NOBUKAZU、SUMI DAICHI、MORI HISASHI、ISHIDA KOJI、SHIMIZU KAORI、SHIOZAWA KANA、SUZUKI YASUHIRO
    • 雑誌名

      Medicine & Science in Sports & Exercise

      巻: 51 ページ: 1477~1486

    • DOI

      10.1249/MSS.0000000000001929

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 心拍数,血中乳酸濃度,筋電図からみたクロスフィットトレーニング上級者の運動強度の特性;上級者1名と初心者7名の比較検討から2019

    • 著者名/発表者名
      フダラキス イオアニス ヨルギオス,森寿仁,藤田英二,山本正嘉
    • 雑誌名

      スポーツトレーニング科学

      巻: 20 ページ: 31-38

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 富士山山頂における夜間睡眠時の動脈血酸素飽和度(第2報);山頂における高所順応および脱順応過程に着目して2018

    • 著者名/発表者名
      森寿仁,笹子悠歩,山本正嘉
    • 雑誌名

      登山医学

      巻: 38 ページ: 109-118

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 補助トレーニングとして行う自転車エルゴメーターを用いた高強度インターバルトレーニングは柔道競技に必要とされる持久力を向上させる2018

    • 著者名/発表者名
      佐藤雄太,森寿仁(責任著者),小山田和行,藤田英二,山本正嘉
    • 雑誌名

      スポーツパフォーマンス研究

      巻: 10 ページ: 175-187

    • 査読あり
  • [学会発表] 低酸素環境下における運動時の血中および筋酸素動態と内分泌応答の関係2018

    • 著者名/発表者名
      森寿仁,八津谷陽香,伊藤宏人,林七虹,後藤一成
    • 学会等名
      第73回日本体力医学会大会
  • [学会発表] 暑熱・低酸素環境での持久性運動がヘプシジンの分泌応答に及ぼす影響2018

    • 著者名/発表者名
      林七虹,八津谷陽香,森寿仁,伊藤宏人,後藤一成
    • 学会等名
      第73回日本体力医学会大会
  • [学会発表] 暑熱・低酸素環境での持久性運動に対するエリスロポエチンの応答2018

    • 著者名/発表者名
      八津谷陽香,森寿仁,伊藤宏人,林七虹,岡崎和伸,後藤一成
    • 学会等名
      第73回日本体力医学会大会
  • [学会発表] 富士山山頂における夜間睡眠時の動脈血酸素飽和度(第2報);山頂における高所順応および脱順応過程に着目して2018

    • 著者名/発表者名
      森寿仁,笹子悠歩,山本正嘉
    • 学会等名
      第38回日本登山医学会学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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