研究課題/領域番号 |
17K13168
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
山口 志郎 流通科学大学, 人間社会学部, 准教授 (70733096)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | オンラインパネル / 10進法 / テーマ分析 / 身体的リスク / 時間的リスク / 突発的リスク / 環境的リスク / 天候リスク |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、トレイルランニングイベントの参加者に焦点を当て、参加者のリスクを探索的に明らかにすることであった。本研究ではインターネットリサーチ会社に登録するオンラインパネルの中から、有意にトレイルランニングイベント参加者を抽出し、インターネット調査を行った。調査は、2020年9月17日に行われ、92名から回答が得られた。調査項目は、レジャーの10進法(Ito & Walker, 2014)を基に、トレイルランニングイベント参加の際に抱く、“リスクとは何ですか?”という質問項目に対し、参加者は10個の回答を行った。収集されたデータは、テーマ分析(Braun & Clarke, 2006)によって分類され、以下3つのステップによってトレイルランニングイベントにおける参加者のリスクは概念化された。 第1ステップとして、2018年に収集された主催者のリスク(山口・伊藤, 2020)のカテゴリーを基に、コード化を行った。第2ステップとして、共同研究者と共に回答の10%を無作為に抽出し各自がコード化を実施した。各自が分類を行った後、回答が異なる場合議論を重ねながら第1ステップのカテゴリーを修正し、カテゴリーの特定化を行った。第3ステップとして、第2ステップによって導き出されたカテゴリーを基に、研究協力者と共に、全ての回答のコード化を実施した。Cohen’s kappaによって回答の一致度を分析した結果、0.73であり、高い一致が見られた。その後、研究協力者の意見ならびに共同研究者との議論を踏まえ、トレイルランニングイベントにおける参加者のリスクとして、(1)身体的リスク、(2)心理的リスク、(3)金銭的リスク、(4)対人的リスク、(5)携行品リスク、(6)構造的リスク、(7)時間的リスク、(8)突発的リスク、(9)環境的リスク、(10)天候リスクが生成された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響に伴い、全国各地でトレイルランニングイベントの開催が中止または延期に追い込まれたことから、フィールドでのアンケート調査が困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症の影響に伴い、本研究を1年延長したことから、2021年度はフィールドでのアンケート調査またはオンライン調査を実施し、参加者視点のリスクの尺度化ならびに他の変数を含めたモデルの検証を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は新型コロナウィルス感染症の影響に伴い、フィールドでのアンケート調査が実施できなかった。このことから、次年度フィールドでのアンケート調査を実施予定であるが、新型コロナウィルス感染症の影響が続けば、フィールドでのアンケート調査が困難なことから、その場合はオンラインパネルによるインターネット調査を行う。
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