研究課題/領域番号 |
17K13176
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研究機関 | 福岡こども短期大学 |
研究代表者 |
山田 一典 福岡こども短期大学, その他部局等, 准教授 (00714768)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アキレス腱 / 下腿三頭筋 / 可塑性 / 乳幼児期 / 超音波画像 |
研究実績の概要 |
生体イメージング技術の進歩により非侵襲性の超音波イメージング法を用いた生体内部の筋・腱動態および形態が明らかになってきた.さらに,それらの形態的特性は身体運動中の筋腱の長さ変化や,力発揮に大きく影響を及ぼしていることも明らかになった.しかしながら,これまでの骨格筋メカニクスに関する研究では,成人や中高齢者を対象とした調査が多く,様々な年代における骨格筋の発育発達は明らかにされていない.そこで本研究は乳幼児期のアキレス腱形態の発育について調査し,その発育は遺伝的要因によって引き起こされるのか,それとも環境的要因によって引き起こされるものか明らかにすることを目的とした.平成29年度は乳幼児(0-6歳児)247名を対象に,下腿三頭筋(腓腹筋,ヒラメ筋)の筋束長,羽状角,アキレス腱横断面積,アキレス腱長2種類を超音波画像診断装置によって測定し,月齢,身長,体重,下腿長も併せて測定した.その結果,アキレス腱長,中でもヒラメ筋部に付着するアキレス腱は月齢に対して有意な相関関係を示さず,また身長や下腿長,体重に対しても有意な相関関係を示さなかった.このことから,アキレス腱長を決定する要因として,生活環境や運動環境などによる環境的要因によって変化を引き起こされるものと考えられた.これらの研究結果については学術論文2編,実践報告1編,学会発表を1本作成し,発表を行った.以上のデータを基に,平成30年度は乳幼児の体力と骨格筋の関係性について調査を進めていきたいと考えている.また,平成29年度同様にアキレス腱形態の発育についても調査を続行し,被験者数の拡大を実施していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,乳幼児における下肢の骨格・筋・腱の形態を明らかにすることを目的とし,それらが加齢につれてどの様な変化を起こしているのか明らかにすることを目的とした.調査に関し,当初の予定を大幅に上回る200名以上のサンプルを確保出来,また,原著論文2編,実践報告1編,学会発表1本を発表し,さらには論文1編の投稿と学会発表1本の発表準備を進めている.以上のことから,当初の計画以上に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は引き続き乳幼児の下腿三頭筋およびアキレス腱の形態計測を超音波画像診断装置を用いて実施し,同被験者の体力測定(幼児の運動能力調査,文部科学省幼児期運動指針より)も実施する.これらの結果から幼児の骨格における発育と体力の関係性について調査を進めていく.そして,結果を基に学術誌への投稿ならびに学会発表を行う.
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