研究課題
今年度は、エリート競泳選手30名を対象に、呼吸筋トレーニングを6週間行わせた。被験者を、MIPの75%強度で呼吸筋トレーニングを行う群(以下、75%群とする)、50%強度で呼吸筋トレーニングを行う群(以下、50%群とする)、呼吸筋トレーニングを行わない群(以下、con群とする)に分類した。呼吸筋トレーニングは、30呼吸を1セッションとし、1日あたり2セッション行い、1週間に6日間行わせた。呼吸筋トレーニングには、パワーブリーズ(IMT Technologies Ltd., Birmingham, UK)を用いた。6週間の呼吸筋トレーニングの前後で、呼吸機能の測定と泳パフォーマンステストを実施した。呼吸機能は、MIPと呼吸筋持久力を測定した。泳パフォーマンステストは、100mの自由形泳を行い、自由に呼吸を行う自由呼吸条件と、4ストロークに1回呼吸を行う制限呼吸条件の2条件で実施した。6週間の呼吸筋トレーニングを実施することによってMIPは向上し、100m自由形泳のパフォーマンスが改善した。また、呼吸筋トレーニングによって向上したMIPは、75%群のみトレーニング終了後4週目までトレーニング効果が持続した。しかしながら、75%群と50%群でMIPおよび泳パフォーマンスに有意な差はなかった。呼吸補助筋の動員が大きくなる高強度での呼吸筋トレーニングは、トレーニング効果を長く持続させるという点では、MIPの50%強度での呼吸筋トレーニングを比較して有益であるが、泳パフォーマンスの向上に対して付加的な効果があるかはわからない。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り、順調に実験が進んでいる。
今年度の研究結果で出た課題を踏まえて、2019年度では、実験を実施する。具体的には、呼吸筋力トレーニンングと呼吸筋持久力トレーニングとを比較し、泳パフォーマンス改善に対する影響について検討する。
実験を行うにあたり、検者および被検者の人数が計画よりも少なくなったことから、未使用額が発生した。今年度は、被検者の数が多くなることから、被検者の謝金に未使用額を使用する予定である。
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Med Sci Sports Exerc
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10.1249/MSS.0000000000001929